【開発事例紹介】請求書発行システム2 取引入力を簡単にするために

請求書管理2タイトル システム開発

 

前回からExcel 処理自動化のシステムについて、
実際に導入させていただいたものを例に
紹介させていただいています。

前回の記事(全体像)はこちら

今回はこのシステムの取引入力を中心に
書いてみたいと思います。

よろしければお付き合いください。

 

集計機能を使うために必要なこと

導入させていただいたのは
請求書発行システムです。

売上に対してどれだけ入金があったか
今回はいくらで請求書を発行すればいいか
管理するために制作しました。

その会社様では今まで
集計表形式で管理をされていて、
下の図のように1取引先に対して1行で入力していました。
請求書管理(旧)1行管理

 

この形のときに困るのが、
1ヶ月で複数回売上・入金があった場合です。

1取引先でその月に入力できる金額は
基本的に1つのみ

複数回取引があった場合は
合計金額を入力するか
1セルに2行入力するかになります。
複数取引入力

合計を入力すれば内訳がわからず
複数行入力すれば
合計を手で計算しなければならないという状況でした。

そこで、
データベースの考えを取り入れた
リスト形式」の形で
取引を入力することを
ご提案させていただきました。
請求書管理システム概要

こうすることで
1ヶ月に何度取引があっても
内訳を入力することができますし、

Excel の集計機能を使えば
簡単に合計を知ることができます。

私がよく使うのは
ピボットテーブルという機能です。

この機能で取引先別はもちろん、
月ごとや担当ごとなど
簡単に欲しい形で集計が可能になります。
請求書ピボットテーブル

 

各種マスタを設定する

ピボットテーブルなどの集計機能を使う時、
1つ気をつけないといけないことがあります。

それが
集計するものは同じ文字で
入力しておかなければならない
ということ。

例えば株式会社山田商店という
取引先があったとします。

この山田商店との取引を入力するのに

「(株)山田商店」
「(株)山田商店」
「山田商店」

などのように、いくつもパターンがあると
うまく集計ができないのです。

文字はかっこ「( )」の全角半角まで
揃える必要があります。

そこで「取引先マスタ」を作成し、
コードと取引先名欄、
請求書を送付するための住所などを
入力していただきました。
取引先マスタ

コードは通常「A103」のような
意味のない記号や番号ですが、
これを覚えるのも難しいと判断したので
その取引先の読み方にしました。

通常のシステムでは
記号番号が使われることが多いのですが、
小規模なシステムだからこそ
使いやすさを優先
覚える必要のないコードを採用しました。

また並べ替えをするときに
重要取引先を上にしたいというご要望は
多いと思います。

それもこの取引先マスタ登録順に
並ぶよう設定しました。

これは導入先の会社様で
大変喜ばれています。

その他、担当者や
決算月を分かりやすくするための月の並び順、
消費税率などもマスタ登録して、消費税改正にも
対応するようにしました。
各種マスタ

 

入力フォームから登録する

登録するとき
表記の揺れがないように
取引先にコード設定したことは前述しました。

これを入力するのに
よく使われるのはVLookUp関数です。

この関数を使えば
コードを入力するだけで
取引先名が表示されるので便利なのですが、
1つ懸念事項があります。

それがVLookUp関数は
必ず正しいコードを入力しなければならないこと

人間がやることですから
入力時に必ず正しいコードを
覚えているとは限りません。

その度に取引先マスタを
確認するのも煩わしいですよね。

なので、売上・入金とも
取引については入力フォームを
使っていただくことにしました。

例えばこのように似たコードの取引先が
いくつかあったとします。
取引先マスタ

さとう「なに」っていうコードにしたっけ?
という場合は
「選択肢」から選べるようにしました。
入力フォーム

これなら覚えていたコードがあやふやでも、
入力時は必ず正しいコードが入ります。

フォーム入力することで
入力ミスによる集計の不具合はなくなります。

 

まとめ

いかがでしょうか。

今回は集計表形式での
管理のデメリットから、
リスト形式だからできる
集計機能のご紹介をご説明させていただきました。

集計表形式は
1取引先の入力欄が1つしかないことが多く、
複数取引があった場合の明細が
わかりにくくなったり、
明細を入力すようとすると
逆に合計がわからなくなったりします。

なので、今回の請求書発行管理以外でも
リスト形式で作成することをお勧めします。

ピボットテーブル機能を使えば
リスト形式から集計するのは簡単にできますからね。

今回はシステムとしての導入でしたので、
入力フォームを作成しました。

こちらを使うとプログラム次第で
入力作業を軽減させることが可能です。

Excel のシステムって具体的にどうなの?
という方にとって
興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

 

お問い合わせはこちらから